写真で観察

「ひとつの鉱物」と「岩石」を写真で見比べよう

水晶の結晶面と、花こう岩の色違いの粒を探してみよう。

A二つの透明な結晶がつながった日本式双晶水晶の標本
水晶(石英という鉱物の結晶)実物標本:GSJ M21000写真:産総研・地質標本館
B白色と黒色の鉱物の粒が見える花こう岩の標本
花こう岩(鉱物が集まった岩石)実物標本:GSJ R38396写真:産総研・地質標本館
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花こう岩に見える白っぽい粒の一部も石英です。つまり「岩石の中に鉱物が入っている」という関係です。ただし、岩石が必ず何種類もの鉱物でできているとは限りません。

写真の出典は各標本の下に掲載しています。

何でできた? どうやってできた?

石を調べるときは、中身を見ることと、でき方を考えることを分けてみましょう。

1. 中身を見てみよう

鉱物(こうぶつ)

成分と、中の小さな粒の並び方に特徴があります。水晶(石英)が一例です。

岩石(がんせき)

鉱物や天然のガラスなどからできています。花こう岩には、いくつかの鉱物が入っています。

天然のガラス

黒曜石は、主に結晶が育つ前に固まったガラスです。鉱物と同じ規則的な並びをもちません。

図の粒や色は説明用です。実際の石の写真や、内部の構造をそのまま表したものではありません。岩石が必ず何種類もの鉱物を含むとは限りません。

2. 岩石のでき方も考えよう

火成岩(かせいがん)
マグマが冷えてできる岩石。花こう岩、玄武岩、黒曜石など。
堆積岩(たいせきがん)
砂や泥などがたまって固まる、または水に溶けた成分などが集まってできる岩石。砂岩など。
変成岩(へんせいがん)
もとの岩石が、熱や強い圧力、水の働きなどで変わった岩石。大理石など。

黒曜石には、二つの見方があります。
中身から見ると「天然のガラス」。でき方から見ると「火成岩」。どちらも同じ石の説明です。図鑑の「岩石」から探す場合にも黒曜石が出てきます。

資料:USGS「岩石と鉱物の違い」、産総研「岩石や地層」、USGS「変成岩」、USGS「黒曜石の分類」。

「岩石は鉱物の集まり」と聞いても、目の前の石ではピンとこないかもしれません。上の写真で水晶の面と、花こう岩の粒を探してみましょう。花こう岩の中には、実は水晶と同じ石英も入っています。

石の中に、別の石がいる?

水晶は、鉱物「石英」が目に見える結晶の形で育ったものです。一方の花こう岩には、石英や長石など異なる鉱物が組み合わさっています。白い粒と黒い粒の境界をたどると、一枚の写真に複数の材料が見えてきます。

ここで意外なのは、鉱物を見ているつもりが、岩石の一部分を見ていることもある点です。川原の石に白い粒があっても、石全体を「水晶」と呼ぶわけではありません。(USGSの花こう岩の構成例)

「岩石=必ず多種類」は覚え方として危ない

岩石には主に一種類の鉱物からできるものもあります。石灰岩は、主に方解石などの炭酸カルシウムを含む岩石です。材料が一種類に近いからといって、「鉱物」と呼び替えることはできません。岩石は成り立ちも含めた名前として扱います。(USGSの岩石と鉱物の説明)

黒曜石はどうなる?

黒曜石は、溶けた物質が急に冷えてできた天然の火山ガラスです。この図鑑では中身の特徴を伝えるため「天然のガラス」と表示します。でも、でき方から見ると、火山でできた火成岩の仲間でもあります。(USGSの黒曜石の分類)

「天然のガラス」と「岩石」は、どちらか一つだけを選ぶ名前ではありません。何でできたかと、どうやってできたかは、別の見方なのです。図鑑の「岩石」から探すときにも、黒曜石を表示します。

今日の観察

家にある石や写真を一つ選び、「同じような部分が続く」「色の違う粒が見える」「ガラスのような面がある」のどれに近いか話してみてください。分類を当てるゲームではなく、見えたことを言葉にする練習です。表面を割ったり削ったりせずに観察しましょう。

この記事の資料

主な出典:米国地質調査所(USGS)「What is the difference between a rock and a mineral?」

資料確認日:2026/10/1。写真の出典は各写真の表示または図鑑ページに記載しています。未知の石の鑑定や、現地での採集許可を示すものではありません。