地下の岩石が、地表に出るまで
地面が持ち上がることと、上の岩石が削られること。その両方を考えます。
- 1 / 地下でできる
マグマが固まる
地下でマグマが冷えて、花こう岩ができます。上には別の岩石が重なっています。
- 2 / 持ち上がる・削られる
上を覆う岩石が減る
地面が持ち上がり、雨や川などの働きで上の岩石が削られます。
- 3 / 地表に現れる
地下でできた岩石が見える
こうした変化が重なって、花こう岩が地表に見えるようになります。
資料:研究機関の発表を見る。説明図:いしころ編集部。
このニュースのことばを確かめる
- 隆起
- 地面が持ち上がることです。
- 侵食
- 雨や川などの働きで、岩石や土が削られることです。
- 地殻
- 地球の表面をつくる岩石の層です。
地下深くでできる花こう岩が、なぜ山の地表に見えているのでしょう。京都大学は2026年8月19日、北アルプス黒部地域の岩石を調べた研究成果を発表しました。論文は同年8月3日にオンライン掲載されています。このニュースは発表から時間がたった9月29日に、石を手がかりに読み解く記事として作成しています。
岩石は「できた場所」の手がかりになる
花こう岩の図鑑で、白っぽい粒と黒っぽい粒を探してみましょう。花こう岩は地下でマグマが固まってできる岩石です。研究チームは黒部地域の岩石について、いつ、どのくらい深い場所でできたかを調べました。ここで使った黒部川花こう岩は、図鑑の茨城県の写真標本とは別の岩石です。
地下でできた岩石が地表に見えるには、地面が持ち上がるだけでなく、上を覆っていた岩石が削り取られることも関わります。地面が持ち上がることを隆起、雨や川などで岩石や土が削られることを侵食といいます。
研究が調べたのは、この二つを合わせた変化です。「花こう岩を一個見れば、その山の年齢が分かる」という話ではありません。
「年間約1センチ」は、いまの速さ?
発表によると、北アルプス黒部地域では過去約80万年間に、年間約1センチにも達する世界最高水準の速さで隆起・侵食が起きたと推定されました。これは研究対象とした過去の変化を説明する値であり、今日も山が毎年必ず1センチ高くなるという意味ではありません。削られた分も含むため、山頂の高さの増加とそのまま同じ数値でもありません。
なぜ速く変化したと考えた?
研究チームは、コンピューターを使って仕組みも調べました。火山活動で地殻が熱くなると、その部分に変形が集まりやすくなった可能性を示しています。地殻は、地球の表面をつくる岩石の層です。
地面を押す力だけでなく、地下の熱も山の成長を考える手がかりになります。ただし、世界のすべての山が同じ仕組みでできたと決まったわけではありません。
親子で考える問い:「地中でできた岩石が地表に見えるまでに、持ち上がること以外に何が必要?」「年間1センチという数字は、どの期間についての話?」。答えを資料に戻って確かめてみましょう。砂岩のように粒がたまってできる岩石とも、でき方を比べられます。
この記事の資料
主な出典:京都大学「日本アルプスはなぜこれほど速く隆起したのか」(2026年8月19日発表)
資料確認日:2026/10/1。写真の出典は各写真の表示または図鑑ページに記載しています。未知の石の鑑定や、現地での採集許可を示すものではありません。




