写真で観察

白っぽい三つの標本。鉱物と岩石を見分けられる?

どれが鉱物で、どれが岩石か。名前を開く前に予想してみよう。

AUSGS所蔵の透明な方解石の標本
方解石の標本実物標本:USGS所蔵標本写真:米国地質調査所「Clear Calcite」
B二つの透明な結晶がつながった日本式双晶水晶の標本
水晶の標本実物標本:GSJ M21000写真:産総研・地質標本館
C淡い灰色の石灰岩の標本
石灰岩の標本実物標本:GSJ R33314写真:産総研・地質標本館
答えと理由を見る

Aの方解石とBの水晶は鉱物、Cの石灰岩は岩石です。石灰岩には方解石が含まれることがあります。写真の白さだけで未知の石がどれかを決めることはできません。

写真の出典は各標本の下に掲載しています。USGSの写真は国内の産出記録とは別の標本です。

透明な石を見て「水晶!」と言った後で、写真の答えが方解石だったら、どこを見直したくなりますか。色、光り方、平らな面。まずは三枚の実物標本を比べてみましょう。

最初の発見:石灰岩の中にも方解石がある

方解石は鉱物の名前です。地質標本館の標本記録には、方解石の組成が CaCO3、分類が炭酸塩鉱物とあります。一方、石灰岩は岩石の名前。石灰岩には方解石が含まれることがあります。「中身の鉱物」と「集まってできた岩石」を同じ名前で呼ばないのが最初の一歩です。(地質標本館の方解石標本、USGSの岩石と鉱物の説明)

写真で探す三つの手がかり

  1. 結晶の面:USGSの方解石の写真では、透明な部分を通して平らな面が見えます。水晶の標本でも面をたどれますが、二枚は形も撮影角度も違います。
  2. 粒の集まり:石灰岩の写真は、一つの透明な結晶とは違う見え方です。ただし、写真だけで岩石に含まれるすべての鉱物は分かりません。
  3. 標本の記録:名前が確認された標本の写真だから、後から答えを確かめられます。拾った石には、同じ記録が付いていません。

写真の方解石はUSGS所蔵の標本です。地図に示した兵庫県の地質標本館の産出記録は別の標本で、写真の産地を示してはいません。

親子で一分だけ観察するなら

答えを開く前に「どれが鉱物で、どれが岩石?」と予想し、そう思った理由を一つずつ言葉にします。答えを見たら、予想と違った点を一つメモしてください。間違えた理由を見つけることが、石を見る目を育てます。

川で見つけた石を調べるときは、色だけで名前を付けず、地域の博物館資料と比べましょう。酸や薬品をかける試験、石を割る試験は勧めません。持ち帰る前に場所のルールを確認し、安全の約束を守ってください。

この記事の資料

主な出典:産総研・地質標本館「方解石 GSJ M03252」

資料確認日:2026/9/29。写真の出典は各写真の表示または図鑑ページに記載しています。未知の石の鑑定や、現地での採集許可を示すものではありません。