写真で観察

白く透ける三つの標本。面が交わる線を探そう

写真の色はいったん忘れて、直角に見える部分と結晶の向きを指でたどってみよう。

A透明から白色の面が重なって見える岩塩の接写
岩塩の接写実物標本:USGS掲載写真写真:米国地質調査所「Salt, Sodium, Chlorine」/撮影 Scott Horvath
B二つの透明な結晶がつながった日本式双晶水晶の標本
日本式双晶水晶の標本実物標本:GSJ M21000写真:産総研・地質標本館
CUSGS所蔵の透明な方解石の標本
方解石の標本実物標本:USGS所蔵標本写真:米国地質調査所「Clear Calcite」
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Aは岩塩、Bは水晶、Cは方解石です。Aには角ばった段差が見えますが、写真は角度も標本の状態も異なります。この三枚だけで未知の石を同定することはできません。

写真の出典は各標本の下に掲載しています。USGSの写真は国内の産出記録とは別の標本です。

写真の白く透けた塊の中に、四角い段差がいくつ見えますか。これは米国地質調査所(USGS)が岩塩として公開した写真です。岩塩は、台所で使う食塩と同じ塩化ナトリウム(NaCl)からなる鉱物。ただし、写真の石は食品ではありません。

「四角い」のは外側だけ?

ユタ自然史博物館の岩塩標本の説明では、岩塩に立方体の結晶ができると紹介しています。写真では、平らな面が交わる角と、少し白く曇った面を探してみましょう。平らな面を一つずつたどると、全体がただの白い塊には見えなくなります。

その形は、中の小さな粒の並び方と関係があります。岩塩の中では、プラスの電気を帯びたナトリウムイオンと、マイナスの電気を帯びた塩化物イオンが、立方体の構造を繰り返すように規則正しく並んでいます。ケンブリッジ大学の岩塩の説明と構造図で、この並び方を確かめられます。

四角い面には、結晶が育つときにできた面のほかに、割れたときに現れる面もあります。岩塩には、直角に交わる3方向に割れやすいへき開(決まった方向に割れやすい性質)があります。この写真の面が成長した面なのか、割れてできた面なのかまでは分かりません。観察のために標本を割る必要はありません。

結晶は必ずきれいなサイコロの形で残るわけではありません。複数の結晶が重なったり、一部が欠けたりします。この写真から「この一粒は完全な立方体」と言い切ることもできません。

水晶や方解石も透明。どこを比べる?

水晶と方解石の写真も並べてみましょう。どれも透明や白色の部分が見えます。それでも同じ鉱物ではありません。色を隠して、面と面が交わる線がどちらへ伸びているかを比べるのが、このページの観察ゲームです。

親子で考える問い:「三枚の写真のうち、直角に見えるところはどこ?」「別の角度から撮ったら、形は同じように見える?」。写真は撮影角度や標本の状態が違うため、このゲームで手元の未知の石の名前を確定することはできません。

地図の印は、この写真の撮影場所?

いいえ。岩塩の図鑑にある米国ニューメキシコ州の印は、産総研・地質標本館が登録する別の岩塩標本(GSJ M15369)の産地です。USGSの写真には産地が記されていません。地図の印を、写真の標本を採った場所と混同しないでください。

未知の標本はなめないでください。成分や衛生状態が分からず、似た見た目の別の鉱物かもしれません。安全の約束も確認してください。

この記事の資料

主な出典:ユタ自然史博物館「Mineralogy」

資料確認日:2026/10/1。写真の出典は各写真の表示または図鑑ページに記載しています。未知の石の鑑定や、現地での採集許可を示すものではありません。