図でつかもう

実験では、何を比べたの?

地球の奥に近い、とても熱く、強く押される状態を実験室で作りました。

  1. 1 / 実験の準備

    地球の奥に近い状態を作る

    デイブマオアイトという鉱物を実験室で作り、高い温度と圧力をかけます。

  2. 2 / 比べたもの

    条件を変えて、体積を比べる

    水を含む条件と乾いた条件で作った鉱物は、体積がほぼ同じでした。

  3. 3 / 分かったこと

    取り込める水は、とても少ない

    計算などと合わせると、水の量は重さの割合で0.08%以下。以前の予想の10分の1以下でした。

「水」は鉱物の中に取り込まれる水素を含む成分のことです。水たまりの発見ではありません。図の大きさや色は説明用です。
資料:研究機関の発表を見る。説明図:いしころ編集部。
このニュースのことばを確かめる
鉱物(こうぶつ)
自然にでき、成分と内部の小さな粒の並び方に特徴があるもの。水晶(石英)も鉱物です。
下部マントル(かぶマントル)
地球の表面と中心の核の間にある「マントル」の、深い側の部分です。
重量%(じゅうりょうパーセント)
全体の重さに対して、ある成分がどれだけあるかを表す割合。0.08%は、全体が100gなら0.08gという割合です。

地球のずっと深いところにも、水の手がかりがあります。ただし、地下に大きな水たまりが見つかったというニュースではありません。ここでいう「鉱物が水を持つ」とは、その内部に水素を含む成分が取り込まれることを指します。

京都大学などの研究グループは、地球の奥の「下部マントル」にある鉱物、デイブマオアイトを調べました。発表は2026年8月31日、研究論文の公開は同年7月24日です。発表日と論文の公開日は違います。(京都大学の発表)

何が分からなかった?

地球の奥では、水につながる成分はどこに入るのでしょう。それを考えるには、鉱物ごとに取り込める量を知る必要があります。デイブマオアイトについては、地球の奥に近い状態で量を測ることが難しく、よく分かっていませんでした。

実験では何を測った?

研究グループは、強いX線を使える研究施設SPring-8(スプリングエイト)で実験しました。とても熱く、強く押される状態を作り、水を含む条件と乾いた条件で作った鉱物の体積を比べます。体積とは、ものがどれだけの場所を占めるかを表す大きさです。地球の奥から大きな石を掘り出したわけではありません。

二つの条件で作った鉱物の体積は、ほぼ同じでした。計算やほかの分析と合わせると、取り込める水は以前の予想の10分の1以下、重さの割合で0.08%以下と分かりました。これは、全体を100gとすると、水の量に換算して0.08g以下という割合です。

研究グループは、水につながる成分が、この鉱物よりも地下に沈み込んだ地殻の物質に多く集まる、という説明を提案しています。地殻は、地球の表面をつくる岩石の層です。これは実験から考えた説明であり、地球の内部をすべて直接測ったわけではありません。(発表の概要と論文情報)

身近な石を見る目と、どうつながる?

図鑑の水晶も鉱物ですが、デイブマオアイトとは別の種類です。鉱物の種類が違うと、中身や性質も違うのですね。鉱物と岩石の違いから、身近な石の例も見てみましょう。

考えてみよう:「地下の水」と聞いたとき、液体の水を想像した? 研究者が実際に比べたものは何だった?

この記事の説明図と、研究者の測定データは別のものです。研究に使われた図は出典先で確認できます。宇宙の石に残った塩と水の跡は、リュウグウのニュースでも紹介しています。

この記事の資料

主な出典:京都大学「地球深部の主要鉱物は“ほぼ乾燥”していた」

資料確認日:2026/10/1。写真の出典は各写真の表示または図鑑ページに記載しています。未知の石の鑑定や、現地での採集許可を示すものではありません。